競技内容

競技は大きく動的審査と静的審査に分かれています。それぞれの審査項目と得点配分は図のようになっており、総合得点を競い合います。
静的な審査では、企画力、設計、製作、コスト、販売戦略などが審査されます。
図のコスト、デザイン、プレゼンテーションの部分が静的な審査で与えられる得点です。
動的な審査では、設計製作された車両の加速度や旋回性能、燃費などから性能を評価します。
アクセラレーション、スキッドパッド、オートクロス、エンデュランス、燃費の部分は動的な審査で与えられる得点です。
競技には車検に合格し、安全が確認された車両のみ出場することが出来ます。

車検

安全・設計要件の評価

ルールに定められている車両の安全、設計要件の適合性を確認します。

ドライバー脱出試験

ドライバーが車両に座っている状態から5秒間で脱出できるか試験します。

ブレーキ試験

4輪すべての車輪がロックするか試験します。

チルトテーブル試験

車両を傾斜する台に載せて傾斜させ、燃料の漏れが無いか、転覆しないか確認します。

レインテスト

車両の絶縁がなされているか試験します。この試験は、EVクラスのみで行われます。

騒音テスト

所定の条件で排気音のレベルを確認します。この試験は、エンジンクラスのみで行われます。

動的審査

アクセラレーション

アクセラレーション審査では、75mの直線をスタンディングスタートから発進し、加速性能を評価します。 2名のドライバーが2回ずつ、計4回タイムを競います。マシンの軽量さやパワーが要求される競技になります。

スキッドパッド

スキッドパッド審査では、8の字のコースを旋回し、車両の旋回性能を評価します。 2名のドライバーが直径15.25mの円を右回り左回りそれぞれ1本ずつ計4周走り、 右回りで速かったほうのタイム、左回りで速かったほうのタイムを平均したタイムで競います。 左右の重量配分、旋回性能の高さが審査されます。

オートクロス

オートクロス審査は、車両の扱いやすさと厳しいコースでのハンドリング性能を評価するものです。 総合的な走行性能が求められます。2名のドライバーが2週ずつ計4周、直線加速・コーナリング・ スラローム・シケインなどがある約800mのコースを走り、1週の速さをラップタイムで競います。

エンデュランス

エンデュランス審査は、車の性能を総合的に評価し、車両としての耐久信頼性が審査されます。 2名のドライバーで22kmの距離を半分ずつ、オートクロス同様数々のコーナーが設けられたコースを走り、 タイムを競います。 例年、参加車両の半分程度しか完走できない厳しい審査です。

燃費

ただ速いだけでなく、どれだけ少ない電力でそのタイムを出したかも重要です。 様々なトレードオフがある中で、競技に合わせて車両がどれほどうまく開発、 調整されているかが試されます。 エンデュランス競技時の電力消費量と、 タイムから算出される電費を競います。

静的審査

コスト

コスト審査を通じて、学生はどのような製作作業においても コストは必ず考慮されるべき重要な要素であることを学びます。 コストを計上する際に、使用した部品の製造技術および製造過程も 同時に学んで考えることが必要になります。 審査方法は、 事前に作成した「コストレポート」を参照し、大会会場において 実際の車両と比較しながら審査を行います。

プレゼンテーション

プレゼンテーション審査は、チームのベンチャー企業としての能力 を評価するものです。 市場調査により得られた情報を基に企画・ 設計した商品(車両)をターゲットとする企業を設定し、 1名ないし 数名が実際の企業の重役に対し、自分たちの作った車両を売り込むことを 想定して行われます。 チームの設計思想が市場の需要に最もふさわしく、 製作した車両が総合的に競争力を持っていることを説明し、市場投入の 優位性を示し、 また、製造販売におけるコストと利益を明確にすることで 企業として十分投資効果のあることを納得していただきます。

設計

デザイン審査は、計画・設計・実験の一連の開発力が問われます。 事前企業で示した車両を実際にどのような技術を採用して、 それを外部から導入するか、あるいは自分たちで新規に開発するか、 企業実践と全く同じ能力が審査されます。 実現するために、 シミュレーションの活用、最終的な確認として、実験方法、実験、 結果の考察からのフィードバック能力など高いものが要求されます。 実際には、事前に提出する「デザインレポート」と実車を使って、 質疑応答形式で審査が行われます。審査員は、レース車両開発者や 自動車メーカーの開発者です。
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